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浄土真宗本願寺派 西法寺 大阪府柏原市

〒582-0021 大阪府柏原市国分本町5-6-19

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浄土真宗とは

今月の法話

2011年7月の法話
 「煩悩(ぼんのう)の氷(こおり)解(と)けて 
                功徳(くどく)の水(みず)となる」
(2011年 真宗教団連合「法語カレンダー」7月のことば)
 毎日、猛暑が続いております。6月末でこの暑さだと本格的な夏の7月8月にはどうなってしまうのか考えるのもつらいものがあります。

東日本大震災で被災された方々、福島第一原発の放射の漏れの影響で自宅や故郷を離れて避難所生活を余儀なくされている方々にこの猛暑は追い打ちをかけないのかということも心配です。

 ところで、先日、手塚治虫さんの「ブッダ」の映画を三女に誘われて一緒に観にいってきました。広い映画館に僅か七名というのは寂しい限りでしたが、ゆっくり観ることができたのも事実です。
 ただ、観終わった時、娘と2人で「期待外れ」と言っていました。何故そういう印象を持ったかと言いますと、もっと、お釈迦さまを中心にしてブッダの悟りについて描かれているのかと思っていたからです。娘は「漫画の単行本の2巻分やな」と言っていました。

 手塚治虫さんの「ブッダ」の単行本は確か6巻か7巻だったと思います。私も25年ほど前に読んだことがあるのですが、ほとんど忘れていました。登場人物もストーリもあまりよく覚えていませんが、確か「どうしてお釈迦さまがなかなか出てこないのだろう」と読みながら思っていたということを思い出しました。
 どういうことかと申しますと、原作の漫画を読まれた方はお分かりだと思いますが、奴隷やそこから成り上がろうとする者の姿や戦争、畜生道に落とされた修行僧などのことが詳しく描かれ、そこにお釈迦さまの誕生、成長、心持ちなどが描かれているのが2巻目までであったかと思います。今回は原作のこの部分を映画化されたものです。

 ですから、お釈迦さまはあまり登場されないのです。それで、私としては「期待はずれ」と言ったのですが、後で考え直してみますと、私の考え違いであったと気づかしてもらいました。

 手塚治虫さんは、当時の時代背景と人間の持つ心、つまり、社会的差別(インドのカースト制度)やそれに支配される人々の心、戦争によって領土を拡大したり、戦いに勝つことで得られる名声・地位などを求める人間の姿、人間以外の動物のいのちの軽視などの問題を詳しく描かれ、そういう人間社会の問題の解決の道と個人の生老病死の苦しみからの解放を求めてお釈迦さまは出家されたと示されているのではないかと思います。

 お釈迦さまの出家の背景には、人間と人間社会の持つ大きな問題があったということを手塚さんは仰りたかったのかと思いますと、手塚治虫という方の素晴らしさに頭が下がります。

 さて今月の言葉は、親鸞聖人の著書「教行信証」の行巻の中の言葉です。
 私たちは無数の煩悩を持っています。その煩悩(例えば、欲望・むさぼり・怒りなどの心)によって、自分自身を苦しめているというのが仏教の教えるところです。その自分自身を苦しめる背景がこの「ブッダ」の物語の中に表わされているのではないかと受け取れるのです。
 私は自身ではどうすることもできない煩悩の世界を持っているのです。阿弥陀さまの慈悲の温もりは、その煩悩の氷を解かし、功徳の水と変えられるというのです。功徳とは、仏のさとりを求めて修行して得られた徳のことですから、私たちを、煩悩から解放し、功徳の水で潤して下さるのが阿弥陀さまのはたらきです。
 だからこそ、その阿弥陀さまのはたらきをそのままに聞かせて頂くことが大切なのです。 
南無阿弥陀仏