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浄土真宗本願寺派 西法寺 大阪府柏原市

〒582-0021 大阪府柏原市国分本町5-6-19

TEL.072-977-3882

浄土真宗とは

浄土真宗の葬儀について

西法寺本堂

大阪府柏原市に位置する西法寺は、聖徳太子建立と伝えられ、本願寺の第8代蓮如上人の教化により浄土真宗の寺院となり現在に至っています。
法話会(年間9回)・敬信講(男性の会)・めぐみ会(女性の会)・日曜学校などの寺院活動を行っております。


葬儀読本 - 石川南組

1.危篤


・本人の意識のあるうちに会わせたい人へ連絡します。

2.臨終


・お医者さんに死亡診断書を書いてもらいます。

・お手次のお寺・寺総代・町内や隣組などの世話役さん・葬儀社へ連絡します。

・家族・近親者、友人・知人などに連絡します。

「臨終勤行(枕経)」
本来は人生の終わりに臨んで(生前・いのちあるうちに)、本人がお育てにあずかったご本尊に対するお礼の勤行であります。しかし、現実には、命絶えてから僧侶に連絡がはいることが多いので、故人の枕もとで故人に代わって僧侶が、ご本尊に対してお勤めをすることになります。実際に枕元でお勤めすることになるので、この勤行を一般に枕経といっていますが、遺体に対して読経するのではありません。


・忌中札をわざわざ貼る必要はありません。

・守り刀はいりません。

・お仏壇を開け、色花を抜き、点燭・焼香をし、打敷きを白にし(もしくは裏返す・ない場合はそのままでも
 良い)、お灯明をあげて香を焚きます。

・生前に本願寺から法名(院号法名)をいただいている場合はお手次のお寺に知らせておきます。

・枕飾りをする場合はお仏壇に準じてお飾りするのがよろしいでしょう。
 (塩・洗い米・お水・一膳飯等はいりません。ご飯はお仏飯器でお供えします)

・お勤めの間は出来るだけ一緒にお参りをしましょう。

・通夜・葬儀の日程・段取りを喪主・住職・葬儀社・世話役で決めます。(例えば会葬者にお礼を言うために
 礼場に立つ方、受付をする担当の方、タクシー・バスなどの台数・乗車配分、寺院休憩所の依頼、湯茶の接待
 係、通夜や葬儀後の会食準備などがあります)

3.通夜


・浄土真宗では旅装束は着けずに着物もしくは浴衣を着せてあげるのが一般的です。手にはお念珠を掛け、門徒式章があれば掛けてあげてください。

・納棺の時に六文銭等を入れる必要はありません。また、何でもかんでも入れるものでもありません。

・さまざまな葬儀壇(祭壇・荘厳壇・仏壇)の飾り方がありますが、浄土真宗ではご本尊(南無阿弥陀仏)がはっきりと見えるように安置します。

・線香とおろうそくの火はお参りなさるときに点けて、終わったら危険ですので消しましょう。(実際に火事になった例もございますので、火の取り扱いには注意をしてください。)

・おろうそく等のお飾りはお仏壇に準じて塩・洗い米・水・一膳飯等はいりません。ご飯をお供えなさるときは仏飯器でお供えいたします。

「通夜勤行」
葬儀の前夜に、近親者や友人、知人など苦楽を共にした人びとが仏前に相集い、故人を偲び、お勤めをして、無常の人生を感じ、仏さまのみ教えに触れる場であります。


・読経中は出来るだけ一緒にお勤めしましょう。(私語は慎みましょう)

・お焼香の作法は浄土真宗では一回つまんでそのまま火の上に落とし、合掌礼拝します。

・御詠歌をあげる必要はありません。皆さんでお勤めなさるときは正信偈や阿弥陀経等をお勧めいたします。

・夜通し起きて線香やおろうそくの番をする必要はありません。

・お勤めの間は出来るだけ一緒にお参りをしましょう。

4.葬儀

・お焼香の順序は本来ならば決めるべきものではありませんが、一般的に喪主・親族・各種団体代表者・一般参列者の順で行われることが多いようです。司会者の方が順に読み上げますのでリストを作成しておきます。同様に弔電を披露する場合はその順番を決めておきます。

「葬儀式(出棺・葬場勤行)」
葬場においての勤行で、現在は、ほとんどの場合、同じ場所で出棺勤行と葬場勤行をいっしょにお勤めしています。浄土真宗のお勤めは、常に、仏徳を讃嘆するものです。ですから、葬場勤行といえども同じ意味になります。葬儀の場においては、故人を偲びご縁にして仏徳を讃嘆することになります。ですから、故人と永遠にお別れするための儀式ではありません。


・お焼香の作法は浄土真宗の作法に則ってします。読経中は一緒にお勤めするか静かに聴聞します。

・出棺に際して「棺回し」「茶碗割り」は浄土真宗では行いません。

・浄土真宗では清め塩は用いる必要はありません。

5.火葬

「火屋勤行」
火葬場において、棺に点火する前につとめる勤行で、この世でのお別れをします。

・火葬場から帰ってきたときに踏み塩・撒き塩、清め水等で手を洗うという行為は、清め塩と同様、行いません。

・火葬場までの往路・復路を変更する必要はありません。

6.還骨勤行

「還骨勤行(一般には「お骨あげ」といわれています。)」
火屋で収骨後、遺骨を仏前に安置してつとめる勤行です。


・火葬場で収骨の際にすべてを持ち帰る必要はありません。納骨できる量で結構です。一般的には宗派の納骨所へ納める骨(喉仏等・本骨)とお墓に納骨する骨(本骨以外の骨・胴骨)を拾われる場合が多いようです。

・地域によっては毛骨を取って別のお寺へ納める風習があるようですが、土葬の時の習慣ですので、火葬をしている現在ではする必要はありません。

※火葬場から帰った後、お世話をして下さった人の労をねぎらうために食事などで接待をする場合もあります。

7.初七日(新七日・一七日)・中陰・満中陰

「中陰法要」
中陰とは、亡くなられた日から七日毎に初七日(新七日・一七日)、二七日…と勤めます。勤行は逮夜(前日)でもかまいません。特に七七日(四十九日)は、満中陰として勤めます。浄土真宗では、この法要は追善回向の仏事でなく、今は亡き故人を偲び、それを縁として仏さまの教えに触れる仏事です。この間、お仏壇のお扉は開けておき、その前に中陰棚をおかざりするのが、河内地方では、一般的なようです。中陰(四十九日)が三ヶ月にわたることを嫌う風習がありますが、浄土真宗の御門徒は気にする必要はありません。また、電気を使うお飾りや巻き線香をお使いになられる方もおられますが、火をつけたままで席を立つことは大変危険ですので、電気は切って、巻き線香も消火を確認して(通常のお線香を使用されることが望ましいです)席をお離れになって下さい。

・お仏飯はご飯を炊かれたときにお供えするのがよいでしょう。

・水・お茶・洗い米・塩・お酒・タバコ等はお供えしません。お下がりとしていただける物にしましょう。

・満中陰法要の時に笠餅をお供えする風習があるようですが、浄土真宗では丸餅か切り餅をお供えします。個数に決まりはありません。

・せっかくのご縁ですから、中陰の間にお手次のお寺と相談してお経の練習をするのも良いと思います。

8.法名・位牌・遺影・弔電・弔辞など

・法名(院号法名)
本来、法名は生前に帰敬式(おかみそり)を受けてご門主から授与されるものです。戒名ではありません。しかし、生前に法名をいただいていない場合は、お手次のお寺の住職がご門主に成り代わって帰敬式を行い、法名をつけます。法名は「釈○○」の二文字です。院号をいただかれる場合はお手次のお寺にご相談してください。尚、肝心なことは文字数の多さや見栄・体裁に振り回されてしまわないことです。

・位牌
浄土真宗では位牌は用いません。しかし、葬儀の場合白木の位牌を用いる場合が多いようです。この白木の位牌はせめて四十九日が終わりましたら処分しましょう。又、中陰棚もかたづけ処分します。(お手次のお寺にご相談なさればよいでしょう)

・故人の写真(遺影)について
写真は四十九日が終わるとかたづけ、法事の折などに飾られるのも、写真があまり汚れなくて良いかと思われます。
写真を飾られる場合は、仏壇の真上は避けて飾るようにします。また、浄土真宗本願寺派では仏壇の中に故人の写真を飾る形はありません。

・弔電・弔辞
弔電・弔辞を奉呈される場合は、浄土真宗では使わない言葉があります。例えば「ご冥福を祈る・草葉の陰で安らかにお眠り下さい・永遠の別れ・天国へ召されて・御霊前・御霊(みたま)」等々

 弔電の例文
 「ご逝去の報に接し、悲しみに耐えません。生前のお育てに厚く御礼申し上げます」

 「ご逝去の報に接しお悔やみ申し上げます。ご家族の皆様のお悲しみいかばかりかとお察し申し上げます。
  ◯◯ 様は私共に人間として生きる姿をお示し下さいました。厚く御礼申し上げます」

・お礼
お世話になった方々にお礼のご挨拶を忘れないようにしましょう。

葬送儀礼にまつわる昔からの習慣について

私たちの生活習慣として執り行われる葬儀に関しては疑問に思うことが多く見られます。例えば、出棺に際しての棺まわしや茶碗割り、胴骨は家の中に入れないなど、亡くなっていかれた方に対して何故そのようなことをするのか、意味が良くわからないものや理由がはっきりしないものがたくさんあります。

私たちは浄土真宗の門徒として、もう一度、浄土真宗の原点に帰って、自分達の周りで行われている葬儀・告別式とそれにまつわる儀式について考えてみることも必要なことだと思われます。


この「葬儀読本」は、石川南組第2期連続研修会(平成13年5月〜平成15年3月開催)の中で、研修されたものを中心に、石川南組連研部でまとめたものです。