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浄土真宗本願寺派 西法寺 大阪府柏原市

〒582-0021 大阪府柏原市国分本町5-6-19

TEL.072-977-3882

浄土真宗とは

今月の法話

2012年8月の法話
   「信心(しんじん)のひとは その心(しん)
          すでにつねに 浄土(じょうど)に居(こ)す」
(2012年 真宗教団連合「法語カレンダー8月のことば)
 ロンドンオリンピックが始まりました。日本はメダルがいくつ取れるのか?金は、銀は、銅は何個と話題になりテレビで盛んに取り上げられています。

 近代オリンピックの創始者であるクーベルタン男爵は
 『オリンピックで重要なことは、勝つことではなく、参加することである。人生で大切なことは、成功することではなく、努力することである』
という言葉を残しておられますが、やはり、日本の選手が活躍し勝利して欲しいという気持ちは否定できません。

 近年は、オリンピックで勝つために国を挙げて多くのデータを集め研究されています。そうしないと、オリンピックで勝つことは中々できないようです。

 しかし、オリンピックに出場できることもまた大変難しいことです。4年に1度の大会であり、国内の選考会で勝った者だけが国を代表して参加することができるのですから、出場できる選手の努力は大変なものだと思います。
 正にクーベルタン男爵の言葉通りなのです。そういう見方で観戦することができると、落ち着いてゆったりとした気持ちで観戦することができるのでしょうが、そうはいきません。勝敗にこだわって観ますから結構興奮します。

 世間も家族も自分の都合のよいようになってくれればよいと思うのが私自身かと思います。
 オリンピックで日本人が勝ってほしい、家族に何時でも大事にされていたい、プロ野球のひいき球団に勝ってほしい、皆が私の言うことを聞いてほしい、とにかく、自分の思い通りになって欲しいというのが私の本音だろうと思います。

 しかし、何でも自分の思い通りに事が運ぶかと言えば、それは無理な話です。思いと思いのぶつかり合いは、いずれ争いを生み出します。相手の立場を尊重して思いを暴力無しでぶつけ合うことができれば良いのでしょうが、それはとても難しいことです。国家間の戦争もそういうことが原因となっているのだと思います。

 さて, 今月の言葉は親鸞さまの「御消息(お手紙)」の中の言葉です。このお手紙は「性信」という関東に居るお弟子さんに親鸞さまが送られたものです。

 そこには、阿弥陀さまのはたらきで信心を得た人は、必ず極楽浄土に往生することが決まった位(正定聚=しょうじょうじゅ)に入り、お釈迦様の次にこの世で仏となることが決まっている弥勒菩薩と同じであると申されているのです。

 信心は、阿弥陀さまのはたらきをそのまま喜ぶ心を阿弥陀さまから恵まれるのです。その心を頂いた人は極楽浄土に住んでいるかの思いを持つことができるというのが今月の言葉の意味です。
 そして、阿弥陀仏のはたらきによって、現実に生きる自分の姿を知らされ、自分の生きようを問われ続けるのではないかと思います。
 浄土に生まれ仏となる身である自分の姿をよくよく考えてみたいものです。
南無阿弥陀仏