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浄土真宗本願寺派 西法寺 大阪府柏原市

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浄土真宗とは

今月の法話

2017年8月の法話
  「金剛心(こんごうしん)は菩提心(ぼだいしん) 
         この心(しん)すなわち他力(たりき)なり」
(2017年 真宗教団連合「法語カレンダー」8月のことば)
『信心(しんじん)すなはち一心(いっしん)なり  一心すなはち金剛心(こんごうしん) 
 金剛心は菩提心(ぼだいしん)  この心すなはち他力(たりき)なり

「真実の信心は、すなわち一心である。一心は、決して壊れることのない心すなわち金剛心である。金剛心は、さとりを求める心すなわち菩提心である。この心が、そのまま阿弥陀仏のはたらきすなわち他力である。」『三帖和讃(現代語版)』(本願寺出版社刊)より)

 今月の言葉は、上のご和讃の下線部になります。今月の言葉も先月に引き続き天親菩薩(てんじんぼさつ)さまを讃仰されたご和讃よりの引文です。
 このご和讃では、「信心」も「一心」も「金剛心」も「菩提心」もみんな阿弥陀さまのはたらき(他力)であり、阿弥陀さまの心であることが知らされます。
「信心」は、阿弥陀さまのおはたらきを信じる心です。
「一心」は、周りの状況でコロコロと心変わりしない心です。
「金剛心」は、絶対に崩れることのない壊れることのない心です。
「菩提心」は、純粋に自分と他の人々の苦悩からの解放を願い、仏のさとりを開きたいと思う心です。
 
 このような心は、自分が努力して鍛え上げ作り上げていくものと思われるのが多くの方の考えられることではないかと思います。
 実際のところ仏教は、自分自身が仏のさとりを得るために、上のような心を、仏さま、菩薩さま、師(先生)や知識(自分を善い方向へと導いてくださる方)の導きによって、仏のさとりを開くために歩むべき道を教示してもらいその教えを信じ(信心)、信心をそのまま保ち(一心)、壊すことなく(金剛心)、自ら仏のさとりを開こうという思い(菩提心)をおこして、自ら信じるさとりへの道をひたすら歩み修行して、さとりの世界へ近づいていくということを説いていると言っていいと思います。

 では、私の姿はどうでしょうか。
 自分が何か苦しいことが起きると、すぐに逃げ出したくなり、生きているのが嫌になったり、逆に、自分の思い通りに事が運ぶととても幸せな気分になりずっとこのままで行けたらいいなと思ってしまいます。自分にとって都合のいいことわるいことで、心の状態がコロコロ変わります。そして、生きるというのは自分に取って都合のよいことが起こるように世の中を渡っていくことだとある意味思い込んでいるところがあります。
 
 しかし、生きているということは、老いていくことであり、病気にもなり怪我もし最後には死んでいくということです。考えてみれば思い通りにならないことばかりなのです。けれども、それを見ないようにしているのが私という人間だと思います。

 そんな私に本当の安心を与えるために、阿弥陀さまはずっとはたらき続けておられます。そのはたらきによって、私が本当の安心(仏のさとり)を得られるように、「信心」「一心」「金剛心」「菩提心」を阿弥陀さまが私に与えて下さっているのです。
 
 今月の言葉「金剛心は菩提心 この心すなわち他力なり」は、阿弥陀さまの私たち一人ひとりを放っておくことができないというお慈悲の心を表した言葉と頂きたいものです。
「南無阿弥陀仏」となって、私たちにはたらいておられる阿弥陀さまです。縁あるごとにお念仏を称え、阿弥陀さまのはたらきを味あわせて頂きましょう。
南無阿弥陀仏