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浄土真宗本願寺派 西法寺 大阪府柏原市

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浄土真宗とは

今月の法話

2018年9月の法話
    「まことの信心の人をば 諸仏とひとしともうすなり」
                 (2018年 真宗教団連合「法語カレンダー9月のことば)
 今月の法語は親鸞聖人の書かれたお手紙「御消息(ごしょうそく)」(西本願寺刊の『浄土真宗聖典』「親鸞聖人御消息」の20)の中の一文です。
 この手紙は、浄信というお弟子の質問に答えられて書かれた手紙です。(浄信という方は、『親鸞聖人門侶交名牒(しんらんしょうにんもんりょきょうみょうちょう)』という親鸞聖人の門弟の名前や住所を列記したものには、浄信は洛中居住の弟子と示されているそうです)

 浄信さまは、私を必ず浄土に生まれさせ悟りを開かせて仏と成らせるという阿弥陀さまの摂取不捨(せっしゅふしゃ)のはたらきをそのまま信じ受け取ることで、今の自分が必ず浄土に往生させて頂く身となるということを申されます。
 そして、阿弥陀仏のはたらきをそのまま信じ受け取る者つまり信心を頂いたものは、すべての仏さまと等しい身となるので、諸仏であると理解していると心得ていると申されます。
 その上で『仏説無量寿経』に48の願いが説かれていますが、その第17願には、「すべての世界の数限りない仏がたに、ほめたたえられ、称えられよう」と誓われていることについて、この諸仏は「信心を頂いた人」のことであると心得ていると浄信さまは言われ、親鸞さまに対してそういうことを詳しく教えてほしいと質問されています。
 
 これに対してのお手紙の中に今月の言葉がでてきます。
 親鸞さまのお手紙の冒頭から今月の法語までの文章を現代語版により抜粋して書かせて頂きます。

 阿弥陀仏の誓願を信じる心が定まるときというのは、摂(おさ)め取ってお捨てにならないという利益を得るのですから、不退転(ふたいてん)の位(くらい)に定まるのであるとお心得ください。真実の信心が定まるというのも、金剛の信心が定まるというのも、摂め取ってお捨てにならないというはたらきがあるからなのです。だからこそ、この上ない悟りに至ることができる心がおこるというのです。これを不退転の位に定まるとも、正定聚(しょうじょうじゅ)の位に入るともいい、等正覚(とうしょうがく)の位に至るともいうのです。この心が定まることを、すべての世界の仏がたはよろこんで、仏がたのお心に等しいとおほめになるのです。ですから、真実の信心を得た人を、仏がたと等しいというのです。……(以下略)…… (下線部が今月の言葉)

 親鸞さまは、信心を得た人を多くの仏様たちがほめたたえ、仏と等しいと申されていますが悟りの仏であるとは申されていません。浄信さまの理解では信心を得た人は仏であるということになります。
 この娑婆の命終わって、お浄土に往生させて頂き、お浄土で悟りを開かせて頂ける身と定まっていても今の自分は極悪深重の人間そのものなのです。
 縁があれば何をしでかすかわからない私自身です。その私が、阿弥陀さまのおはたらきのよって多くの仏さまと等しい者と讃えられるということになります。
 極悪深重の自分が仏にならせて頂くということで、今生では仏ではないのです。迷い多きこの身に絶対の安心を与えるはたらきに包まれているということです。
 勿体ないことであります。
                                    南無阿弥陀仏