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浄土真宗本願寺派 西法寺 大阪府柏原市

〒582-0021 大阪府柏原市国分本町5-6-19

TEL.072-977-3882

浄土真宗とは

今月の法話

2020年表紙と1月の法話
    「悲しみの深さのなかに 真のよろこびがある」
   「人も草木も虫も 同じものは一つもない
              おなじでなくてみな光る」
          (2020年 真宗教団連合「法語カレンダー」表紙と1月のことば)
 あけましておめでとうございます。
 今年も真宗教団連合から出されていますカレンダーの「毎月の法語」をご縁に月々の法話を書かせて頂きたいと思います。

 今年は真宗教団連合結成50周年で、法語カレンダーのテーマは「わたしの歩み」ということで設定され、毎月の言葉は、以前に法語カレンダーに掲載されたものが選ばれています。ところで、今年のカレンダーの裏表紙には「真宗連合結成50周年共同宣言」が掲載されています。

 1、 私たちは、いのちのあるすべての存在が互いに響き合う世界、誰一人取り残されること   なく、共に生きることのできる世界を目指し、取り組んでまいります。
 2、 前項の目的を達するため、世界に開かれた真宗教団として共同し、各宗派間における情   報交換や事業交流を進めるとともに、他団体とも広い協力関係を構築するよう、つとめ   てまいります。

 この共同宣言に引き続いて解説の文章が示されています。

 現代は、自分を優先し、誰かが取り残されても仕方がないという考えへと人々を動かす、厳しい時代にあります。この自分優先のあり方の中では、人は孤立し、何のために生きて来たのかと問い、人生の空しさを感じざるを得ないでしょう。
 浄土真宗をお開きになった親鸞聖人は、「煩悩成就のわれら」という言葉で、煩悩によってしか成り立っていない、煩悩から逃れられない人間存在の姿をお示しになっておられます。そこに教えられているのは、私もあなたも同じ、煩悩から逃れられない「われら」であるという共感であり、この共感から、煩悩を滅することなく煩悩の身のままに、共生への歩みがはじまる、ということです。
 現代に必要なのは、一握りの知恵者ではなく、誰もが共に語り合うことができる、広やかな、豊かな人間関係の回復だと考えます。そして、その回復への起点にあるのが、悲しみや苦しみを抱えた「われら」という共感です。
 私たちは、宗教者の責務として、現代に生きる人々の苦悩に向き合い、共に生きることの世界を願って歩んでまいります。
                           平成30(2018)年4月18日

 この宣言は今から約2年前に出されたものですが、お恥ずかしいことですが、私は今回初めて読ませて頂きました。
 阿弥陀さまのおはたらきを聞かせて頂くことによって煩悩から逃れることのできない自分であることを知らされ、多くの苦悩・悲しみを抱えて生きている自分であることに気づかされるのでしょう。そして、そんな私を絶対に捨てることなく抱き続けてくださる阿弥陀さまはたらきを示してくださった表紙の言葉です。
   「悲しみの深さのなかに 真のよろこびがある」(瓜生津隆真さんの言葉)
 
 その阿弥陀さまのはたらきは、先の共同宣言にもありますように「いのちあるものすべて」にかけられています。そのことを表しお示しくださった1月の言葉です。
「人も草木も虫も 同じものは一つもない おなじでなくてみな光る」(榎本栄一さんの言葉)

 阿弥陀さまは、今ここに生きているいのちみんなにはたらき続けてくださっているのです。そんな尊い掛け替えのないいのちを頂いている私たちなのです。そんないのちの価値・見方を大切にして生きていきたいと思います。
                                    南無阿弥陀仏