浄土真宗とは
今月の法話
2023年1月の法話
「親鸞聖人の出現は 私一人のためであった」
「この世のことは 何事も何事も お念仏の助縁」
「この世のことは 何事も何事も お念仏の助縁」
（2023年 真宗教団連合「法語カレンダー」表紙と1月のことば）
あけましておめでとうございます。
今年も真宗教団連合から出されていますカレンダーの「毎月の法語」をご縁に月々の法話を書かせて頂きたいと思います。
親鸞聖人の語録と言われています『歎異抄』の「後序」（後書き）には次のように示されています。
『聖人（親鸞）のつねの仰せには、「弥陀五劫思惟の願をよくよく案ずれば、ひとへに親鸞 一人がためなりけり。さればそれほどの業をもちける身にてありけるを、たすけんとおぼし めしたちける本願のかたじけなさよ」と御述懐候ひしことを……』
【浄土真宗聖典（註釈版）より】
その現代語訳は
≪親鸞聖人がつねづね仰せになっていたことですが、「阿弥陀仏が五劫もの長い間思いをめぐ らしてたてられた本願をよくよく考えてみると、それはただ、この親鸞一人をお救いくださ るためであった。思えば、このわたしはそれほど重い罪を背負う身であったのに、救おうと 思い立ってくださった阿弥陀仏の本願の、何ともったいないことであろうか」と、しみじみ とお話になっておられました。≫ 【歎異抄（現代語版）より】
今年の法語カレンダーの表紙の言葉を読ませて頂いた時にまず思い浮かんだのがこの歎異抄の後序の言葉です。
この「親鸞一人がためなり」という表現は、すごいことを申されているのだと思います。それは、阿弥陀さまは私一人のためにお出ましくださったのだと申されているからです。
阿弥陀さまは十方衆生を救わんがために本願を建てられたと聞かせて頂いております。その救いの対象は「命あるものすべて」であるということですから決して私一人のための本願では無い筈です。
しかし、親鸞聖人は、「私一人のため」と申されるのです。それは視点の問題でしょうか。阿弥陀さまから見たら、私は十方衆生の中の一人でありますが、私から見れば、私を救うために阿弥陀さまは本願を建ててくださったことになります。阿弥陀さまと私は一対一の関係であるということをお示しくださったのだと思います。
それは罪悪深重の救われようのない自分のことを救わずにはおれないとはたらき続けてくださる阿弥陀さまは、私一人のために、すべての人々一人ひとりのために、かかわり果ててくださっていることをお示しくださったことだと思います。
そのような味わいをさせて頂きますと、浄土真宗のみ教えにであうということは、親鸞聖人が阿弥陀さまのはたらきを説き広めてくださったからであります。そして、数限りないご縁を頂いて、今、私のところに届けてくださっているのです。それは正に私一人のために親鸞聖人がお出ましくださったことであるという味わいを持たせて頂くことになるのではないでしょうか。それ以上に、数限りない多くの方々のご縁を頂いて、私の口から阿弥陀さまがお念仏（南無阿弥陀仏）となって出てくださる。私からすれば、私一人のために親鸞さまが浄土真宗のお法りを広めてくださり、多くの方々がご縁を結んでくださったからであります。その味わいが「親鸞聖人の出現は 私一人のためであった」と表現してくださったのだと思います。
そして「この世のことは 何事も何事も お念仏の助縁」と1月の法語は教えてくださっています。
自分が、今、お念仏（南無阿弥陀仏）を申させていただく身とならせていただいたことをお喜びになられた言葉だと思います。
「南無阿弥陀仏（お念仏）」は、阿弥陀さまそのものであります。阿弥陀さまが南無阿弥陀仏となって私に届いてくださっているのです。何時でも阿弥陀さまが私と一緒に居てくださるのです。阿弥陀さまとともにある生活、そのために多くの方々のご縁を頂いている私、本当に多くのいのちに支えられての私であると知らされ続けていく中に安心の生活が開かれていくのではないでしょうか。皆さま、お念仏申しましょう。
南無阿弥陀仏
今年も真宗教団連合から出されていますカレンダーの「毎月の法語」をご縁に月々の法話を書かせて頂きたいと思います。
親鸞聖人の語録と言われています『歎異抄』の「後序」（後書き）には次のように示されています。
『聖人（親鸞）のつねの仰せには、「弥陀五劫思惟の願をよくよく案ずれば、ひとへに親鸞 一人がためなりけり。さればそれほどの業をもちける身にてありけるを、たすけんとおぼし めしたちける本願のかたじけなさよ」と御述懐候ひしことを……』
【浄土真宗聖典（註釈版）より】
その現代語訳は
≪親鸞聖人がつねづね仰せになっていたことですが、「阿弥陀仏が五劫もの長い間思いをめぐ らしてたてられた本願をよくよく考えてみると、それはただ、この親鸞一人をお救いくださ るためであった。思えば、このわたしはそれほど重い罪を背負う身であったのに、救おうと 思い立ってくださった阿弥陀仏の本願の、何ともったいないことであろうか」と、しみじみ とお話になっておられました。≫ 【歎異抄（現代語版）より】
今年の法語カレンダーの表紙の言葉を読ませて頂いた時にまず思い浮かんだのがこの歎異抄の後序の言葉です。
この「親鸞一人がためなり」という表現は、すごいことを申されているのだと思います。それは、阿弥陀さまは私一人のためにお出ましくださったのだと申されているからです。
阿弥陀さまは十方衆生を救わんがために本願を建てられたと聞かせて頂いております。その救いの対象は「命あるものすべて」であるということですから決して私一人のための本願では無い筈です。
しかし、親鸞聖人は、「私一人のため」と申されるのです。それは視点の問題でしょうか。阿弥陀さまから見たら、私は十方衆生の中の一人でありますが、私から見れば、私を救うために阿弥陀さまは本願を建ててくださったことになります。阿弥陀さまと私は一対一の関係であるということをお示しくださったのだと思います。
それは罪悪深重の救われようのない自分のことを救わずにはおれないとはたらき続けてくださる阿弥陀さまは、私一人のために、すべての人々一人ひとりのために、かかわり果ててくださっていることをお示しくださったことだと思います。
そのような味わいをさせて頂きますと、浄土真宗のみ教えにであうということは、親鸞聖人が阿弥陀さまのはたらきを説き広めてくださったからであります。そして、数限りないご縁を頂いて、今、私のところに届けてくださっているのです。それは正に私一人のために親鸞聖人がお出ましくださったことであるという味わいを持たせて頂くことになるのではないでしょうか。それ以上に、数限りない多くの方々のご縁を頂いて、私の口から阿弥陀さまがお念仏（南無阿弥陀仏）となって出てくださる。私からすれば、私一人のために親鸞さまが浄土真宗のお法りを広めてくださり、多くの方々がご縁を結んでくださったからであります。その味わいが「親鸞聖人の出現は 私一人のためであった」と表現してくださったのだと思います。
そして「この世のことは 何事も何事も お念仏の助縁」と1月の法語は教えてくださっています。
自分が、今、お念仏（南無阿弥陀仏）を申させていただく身とならせていただいたことをお喜びになられた言葉だと思います。
「南無阿弥陀仏（お念仏）」は、阿弥陀さまそのものであります。阿弥陀さまが南無阿弥陀仏となって私に届いてくださっているのです。何時でも阿弥陀さまが私と一緒に居てくださるのです。阿弥陀さまとともにある生活、そのために多くの方々のご縁を頂いている私、本当に多くのいのちに支えられての私であると知らされ続けていく中に安心の生活が開かれていくのではないでしょうか。皆さま、お念仏申しましょう。
南無阿弥陀仏
