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浄土真宗本願寺派 西法寺 大阪府柏原市

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浄土真宗とは

今月の法話

2020年8月の法話
   「念仏(ねんぶつ)もうすところに 
      立ち上がっていく力(ちから)が あたえられる」 
          (2020年 真宗教団連合「法語カレンダー」8月のことば)
 もう8月になりますが、ようやく梅雨明けとなりそうです。その後は猛暑の日が続くという予想も出されています。新型コロナウィルス感染症の感染者数も一日で1000人を超えたとマスコミでは発表されています(7月29日現在)。気分的に落ち込むことばかりに気をとられて、何か心的に重いものを感じることの多いことです。

 さて今月の法語は、西本宗助先生(1909年〜1990年)の言葉です。法語カレンダー2013年4月の言葉ですので、このホームページの「これまでの法話」の欄を開いて頂ければその時の法話が出てまいりますのでご覧いただければと思います。

 さて、先生の著書に『ここに道あり』(探究社刊)という本があります。その本の中
(128〜130頁)に、次のような一文があります。

  最後に、それではお前は、この現代という時代に、仏教信者としていかに生きているか
 と、もし問われるのであれば、つつしんでお答えいたします。
  世間のひとびとは、仏教、ことに浄土真宗は、あきらめをいい、自力無効(じりきむこ
 う)などというものであるから、その生活が消極的になり無気力になると、よくいいます
 が、とんでもありません。自力無効とあきらめさせられるお蔭で、この私は、及ばずなが
 ら出来るだけのことはさせていただきたいと願いに生かされる、いきいきとした世界があ
 たえられています。…〔略〕…そして、煩悩具足(ぼんのうぐそく)のわが身と知らされ
 たお蔭で、どんな方も、それぞれに私にとってはとおとい意味と光をもたれたかたである
 ことを教えられています。…〔略〕…しかも、世のため人のためと特に思わなくとも、世
 間のお蔭で人さまのお蔭でと、そのご恩をわが身にいただいて念仏申すものには、おのず
 からにして、世のため人のためという還相回向(げんそうえこう)の徳がそなわっていく
 と承っている次第であります。しかしそれにしましても、まことにお恥ずかしいわが身で
 ございます。

 引用が長くなりましたが、この一文にも先生のお人柄が現れていると思います。2013年のH.P.で書きましたように、大学時代に講演を聞かせ頂いたことですが、その時の先生に対する私の第一印象は、「本当に純粋で誠実な方」ということでした。先生の書かれたものを少し読ませて頂きますと、本当に真剣に自らの人生に向き合い、生きるべき道を親鸞聖人(浄土真宗)に求め、歩み続けられた方ではないかと思わせて頂きました。

 お念仏は、阿弥陀さまから頂いた言葉です。阿弥陀さまのおはたらきが一杯詰まりに詰まった言葉です。阿弥陀さまそのものです。阿弥陀さまの光に照らされて、まことにお恥ずかしい身であると知らされる私です。何をしても最後の最後まで完全にやり切ることのできないことがほとんどの私であるとも知らされます。
 そんな私であるからこそ、阿弥陀さまはお念仏となって私を支え続けてくださっているのです。その念仏のはたらきをそのまま受け入れさせていただくことで、次への一歩が踏み出せることを示してくださった今月の法語です。みなさまお念仏申しましょう。
                                    南無阿弥陀仏